過去②

その後、少しずつ相手と自分の心の距離の取り方を彼に教えてもらうようになり、
ここかな?これはいいのかな?と恐る恐る自分で考えながら、彼氏の気持ちを知っていった。

そうして初めて彼氏の感じ方と自分の感じ方が違っても愛情はそこに存在し、
愛情表現は自分が望んでいる形ではないからといって、愛されていないわけではないのだと体験していく。

とはいえ、いわば異文化交流のようなもので、お辞儀で挨拶する日本人に握手を求めても食い違うように、
これが相手の挨拶なのかと一つずつ学ぶしかなかった。

それほどまでに男性心理もましてや彼氏の気持ちもわかっていなかったのだ。

握手を求め手を出しているのに、頭を下げている人を見て、

何?何事?

と思わずにはいられない。しかも挨拶=握手という式しかなければ握手以外は挨拶を返されているという実感がない。

そこが辛かった。

何度も
私が好きじゃないんじゃないの?
あなたの表現はわからない、と訴えもした。

そうして少しずつ
挨拶は握手を先に求めたら手を出す、
先にお辞儀したらお辞儀で返すなどの二人がわかるルールを決めた。

もちろん挨拶の話は例え話だが、そのくらいかけ離れていても、お互い好きは好きだったのだ。

好きだからこそ、相手に歩み寄ろうとし始めたのである。


その後、相変わらず喧嘩しながらも結婚。

だが、結婚でもさらに問題が発生する。